ミスター麻雀の小島武夫と伝説の雀鬼桜井章一。
直接対戦の公式記録が残っているわけではないのに、この二人はよく比較されます。
世代が近い打ち手ということもありますが、やはりアンダーグラウンドの世界からイカサマ公開によってメディアに出現したという共通点があるからでしょうね。
ところで両者のイカサマ技はどちらが上なのでしょうか。
桜井章一が主人公の漫画「ショーイチ」では小島の小手返しを見破って勝利する場面が描かれています。
一方で小島武夫の自伝「ろくでなし」では桜井のイカサマを見つけて膝を蹴飛ばしてやったというエピソードが披露されています。
お互いに自分のほうが格が上だと主張しているようですね。
というわけで、小島武夫と桜井章一のイカサマ技をそれぞれ比較してみようと思います。
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小島武夫のイカサマ公開映像
かなり古い小島武夫のイカサマ公開映像です。
この時の小島先生は30歳くらいだと思われますが、すでに「ふがふが」した話し方になっています。もともと、あまり滑舌はよくなかったんですね。
先ヅモやコンビ技などを除くと、披露されている技は以下のとおりです。
三丁抜き(暗刻抜き)※
危険牌消し
5の2※
多牌狙い打ち※
元禄積み(千鳥積み)※
六間積み(爆弾積み)
カッパ抜き(ガッチャンコ)※
ツバメ返し※
河拾い
ドラ変え・ドラ爆
下山抜き
さすがに手つきがいいですね。
特に六間積みを見せる時の、配牌四枚を片手で立てるところなどは惚れ惚れします。
それにしても下家の帽子の男性はずいぶん熱心に質問しています。
イカサマを覚えて使う気満々じゃないですか。
桜井章一のイカサマ公開映像
イカサマ解説ビデオ
大昔に発売された桜井章一のイカサマ解説ビデオです。
ビデオデッキがそこまで広まっていない時代のものなので、あまり本数は出なかったはず。貴重な映像です。
解説されている技は以下のとおりです。
十二枚爆弾
抜き技(カッパ抜き、三丁抜き、中抜き)※
5の2の天和※
ツバメ返し※
千鳥爆弾
最初の「十二枚爆弾」と最後の「千鳥爆弾」は、桜井章一が主人公のVシネマ雀鬼シリーズで何度も登場します。
仕込みが派手なので映像作品に使いやすいんでしょうね。
ニュースステーション出演時の映像
技数が足りないのでもう1本。
こちらはニュースステーションに出演した時のものです。
放送当時、自宅でぼーっとしていたら友人から「桜井章一がテレビに出てるぞ」と電話があり、慌ててTVをつけたことを覚えています。
十二枚爆弾
元禄積み(千鳥積み)※
多牌狙い打ち※
ここでは十二枚爆弾が失敗して十一枚しか入っていません。
大三元が小三元になってしまっています。
ビデオと違いぶっつけ本番なのでこのくらいは仕方ないですね。
[ad#co-1]イカサマ技の比較
二人が披露したイカサマ技で共通しているものを比べて、独断で勝ち負けを決めてみます。
微妙に異なるものもありますが、技名の後ろに※をつけているのが二人が披露している中で共通するイカサマ技です。
これらを比較していきましょう。
三丁抜き
自山の左上三枚を手牌と入れ替える技。
上家がツモる瞬間の二人の動きに注目。
これは甲乙つけがたいですね。
タイミングやスピードはほぼ互角に見えます。
カッパ抜き
ぶっこ抜きとも呼ばれる配牌四枚と山の端を交換する技。
簡単なので初心者のころにチャレンジしたくなりますが、バレたら軽蔑されるのでやめましょう。
これも勝ち負けは微妙ですね。
雀鬼のほうが自然な動きですが小島先生のほうは両端八枚抜いています。
先生の勝ちにしておきましょうか。
5の2
自山からの取り出しで配牌に大物手を仕込む技。
これは明らかに雀鬼のほうが優れています。
小島先生の仕込みは十二枚。
雀鬼はチョンチョンの二枚もすり替えて天和にしています。
山の積み方も不自然さが少ないです。
多牌狙い打ち
すでに和了っている手牌から素早く一枚隠し、相手を狙い打ちする技。
これはどうですかね。
雀鬼のほうが手の内の牌を隠すのが上手いように見えます。
元禄積み(千鳥積み)
山の一枚おきのツモ筋に必要牌を入れておく技。
これも練習したくなるイカサマ技です。
元禄は雀鬼のほうが手馴れています。
小島先生に比べて牌の集め方がナチュラルですね。
雀鬼は元禄積みがかなり得意なようで、イカサマを披露する場では大抵使っています。
ツバメ返し
手牌全部と山の牌をそっくり入れ替える大技。
これは小島先生の勝ちですね。
入れ替える時のスピードや音、残った山のキレイさなど全ての点で優っています。
ちなみに小島先生は自伝の中で「ツバメ返しは自分のオリジナル技だ」と書いています。
完全な元祖かどうかは不明ですが、かなり得意としていたようです。
イカサマ技 勝敗一覧
一応勝敗表を作ってみました。
まさに実力伯仲、といったところでしょうか。
小島武夫 | 桜井章一 | |
三丁抜き | – | – |
カッパ抜き | ○ | |
5の2 | ○ | |
多牌狙い打ち | ○ | |
元禄積み | ○ | |
ツバメ返し | ○ |
まとめ
いかがでしたか。
小島先生は雀鬼のイカサマ技を「やや動きの遅さは否めなかった」と評しています。(小島武夫著「ろくでなし」より)
確かに映像を見ると、小島先生のほうは動きが直線的でスピーディーです。
でも、雀鬼の動きは自然でしなやかなのでバレにくいように見えます。
う~ん、甲乙つけがたいですね。
やはり両者の力は拮抗しているようです。