古川凱章氏は101競技連盟を創設したプロ雀士です。
阿佐田哲也、小島武夫らとともに「麻雀新撰組」を結成して活躍。
昭和の麻雀ブームを牽引しました。
盟友・小島武夫プロと比べると玄人好みでマニアックな印象を受ける古川プロ。
情報が少なく謎が多い古川凱章プロについてまとめてみました。
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古川凱章プロフィール
古川凱章(ふるかわがいしょう)
1938年1月17日生まれ、2016年1月1日逝去
神奈川県横浜市の出身
早稲田大学卒業
麻雀新撰組のメンバー
順位戦01(後の101競技連盟)の創設者
昭和の麻雀ブームを巻き起こした「麻雀新撰組」。古川凱章プロは、阿佐田哲也・小島武夫らとともに結成当初からのメンバーとして活躍しました。
麻雀新撰組の解散後は、競技麻雀の普及や麻雀界の発展のために尽力。
101競技連盟の前身である「順位戦101」を創設してその運営に力を注いでいました。
2016年1月に77歳で亡くなっています。
古川凱章ってどんな人?小島武夫との関係
古川凱章とはどのような人だったのでしょう。
よく比較された同世代の小島武夫プロによると、二人はことごとくが相容れない存在だったようです。
麻雀の打ち方や性格、プロとしての理想像や生き方までも全てが正反対だったので、麻雀新撰組が解散して阿佐田哲也という要を失ってしまうと共に行動することは難しかったと語っています。
明るく楽天的な小島プロに対して生真面目な古川プロ。
麻雀でも切り込んでいって勝機を見出す小島プロとチャンスをじっと待つ古川プロ。
ギャラリーを背負って打つ小島プロと競技性を重んじる古川プロ。
確かにここまで何もかもが違うと、一緒に活動していこうとするのは無理がありそうです。
小島プロと袂を分かった後、古川プロは自身が理想とする競技麻雀を作ろうと努力します。メジャーな世界に進む小島プロとは対照的に、マイナーなジャンルに突き進んでいったわけですね。
そのため以降の古川凱章氏の情報はかなり少なめです。
映像でその姿を見ることができるのは、1995年の第五期最強戦のビデオくらいでしょうか。
オープニングで古川プロが開会の挨拶をしている場面が映っています。
割と普通の人という感じです。少なくとも暗いとか生真面目という印象は受けません。
近年では2009年に地方局で放送された「小島武夫の実戦リーチ麻雀」という番組で麻雀を打ったそうです。
古川凱章が麻雀を打っている映像というだけで貴重ですが、その相手が小島武夫だと聞くとさらに興味がわきますね。
[ad#co-1]古川凱章の雀風は?
古川プロは「体勢論」という考え方を元に麻雀を打っていました。
放銃すれば流れが悪くなり、悪いときにはひたすら耐えるという雀風です。
同じように流れを重視する打ち手でも、阿佐田哲也氏や小島プロとは異なるようです。
かなり慎重派の雀士だったようですね。
なんだか頭でっかちで実戦的じゃない印象を持たれそうですが、出版されている戦術書「麻雀仕掛け打ち」を読むとイメージはガラリと変わります。
流れを言い訳にして理論がスカスカな雀士とは、ひと味違う打ち手だったようです。
「流れ」に即した話もありますが、理論的な部分や相手の心理を読んで戦略を立てる点などはとても勉強になります。
ハッキリ言って、売れ続けている小島武夫プロの本よりはるかに役に立つと思いました。
今は無茶なプレミア価格が付いていますが、どこかの古本屋で見かけたらぜひ手にとってみてください。
101競技連盟とは?
古川凱章氏が目指した競技麻雀のあるべき姿を体現している「101(イチマルイチ)競技連盟」とはどのような団体なのでしょう。
偶然性をできるだけ廃して実力で勝負付けされる独特な101のルール。
その一部を紹介します。
完全順位戦。トップが+1、ラスが-1、2着3着は0になる。
一発、裏ドラ、槓ドラ、積み場無しの和了り連荘。天和、地和、ダブリー、ハイテイは無し。
和了りの発声はツモったときでも「ロン」。
手積みで対局する。
細かいルールはたくさんありますが、大雑把にはこんな感じです。
ドラが増えない点や偶然役を無くしてあるのはわかりますが、発声が「ロン」のみなのはすごく違和感がありますね。反射的に「ツモ」と言ってしまいそうです。
また、手積みで対局しているのもこだわりを感じます。
この手積みにもちゃんとした作法があるそうです。
・洗牌は東家と西家が主に行い、脇の南家と北家は補佐に徹する。
・山はまず東家が積み、そこに南家北家が垂直に合わせ、最後に西家が完成させる。
・サイコロは自山にかするように振る。
どれも初耳の作法です。
さらに、101の選手たちは理牌をしないのが通例です。
理牌禁止のルールはありませんが、プロならば揃えなくてもわかって当然、という考えのようです。
ドラまでめくられている自動配牌や、ゲームの自動理牌に慣れきった現代人にはかなり厳しそうな内容です。
こんな101競技連盟の選手たちが、2014年にネットの麻雀番組で公開対局をしたことがあります。
番組説明には「現代麻雀の秘境」や「伝統芸能」などの文字が踊っていました。
この101の内容を見ると決して大げさな言葉ではありませんよね。
対局は面白かったのですが、手積みなので途方も無く時間がかかっていました。
まとめ
古川凱章プロについてまとめてみました。
同世代の小島武夫プロと比べると明らかになっている情報がかなり少ないですね。
昭和の麻雀ブームから現代の麻雀界の変遷などをご本人の口から聞いてみたかったので、亡くなられたのは非常に残念です。
ただ最近では、そのDNAを受け継いでいる101競技連盟の選手たちのメディア露出も増えています。
いずれ彼らの口から古川プロのエピソードも語られるのではないでしょうか。