ついにMリーグが開幕しましたね。
私も楽しみにしていたのでがっつり視聴しました。
まだ一週間四回分しか対局していませんが、始まったことで放送の雰囲気や細かいルールなどいろいろわかってきました。
というわけでMリーグ開幕一周目を見た感想を思うがままに書いてみます。
ドラフト会議の感想・戦前予想はこちら
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進行スピードについて
対局は夜7時から一日2半荘。
月火木金の週4日ペースで行われます。
せわしないペースな気もしますが野球中継のようなものと考えるとこれもありかなと。
全部を生で視聴するのは難しそうです。
初日だけは開幕イベントの様子が放送されましたが、二日目からはとっとと対局に入るスピード進行。
選手の入場もシンプルで変な煽りも無し。
対局そのものも自動配牌なのが大きくて、それなりに連チャンがあっても「もうオーラス?」と感じるくらいサクサク進みます。
オープニングのPVと半荘合間の休憩時間(20分くらい?)が少しだるいですが、見ていて不満を感じない進行でした。
麻雀番組って待ち時間がクソ長いのが多いんですよね。
Mリーグはそういうムダな時間を強力削っている様子が見られました。
感覚的には生じゃないRTDを視聴するのとさほど変わりません。
イエローカードについて
番組が始まってルール説明の中で引っかかったのがイエローカードの制度です。
明確に罰則のあるルール違反以外の、選手としてふさわしくない行為に出されるらしいです。
一枚目はイエローで警告ですが、二枚目のレッドが出るとチームにマイナス20ポイントがついてしまいます。(チョンボと同じ罰則)
判定は別室にいる審判がおこないます。
開幕4日間はRTDの張 敏賢さんがひとりぼっちでモニターを見ていました。
既存のプロ団体に審判させるのも問題ありそうだし、他に審判いるんでしょうか?
どういう行為にカードが出るのかと言うと
「無発声・遅発声・見せ牌(2枚以上)・強打・長考・小手返し(ツモ牌入れ)・早ツモ・ため息」
Mリーグのルール表ではこのようなものが挙げられています。
一発アウトってわけではなく度重なった場合に出るようです。
要は、ルールに書かれてないことでも行儀が悪いとペナルティあるよ、ってことですね。
そうそう出るものではないと思います。
ただイエローがあるせいか、開幕戦では選手が必要以上に慎重に打牌していました。
この中でもっとも起こりそうで言い訳がしにくいのが「見せ牌2枚」ですからね。
山でも手牌でも関係なく同時に2枚見えたらアウトです。
誰かしらやらかしそう…。
ちなみに1枚ずつ2回見せちゃうのはセーフらしいです。
ユニフォームについて
ユニフォームは黒系がやっぱり格好いいかな。
アベマズの黒一色とか。
色が派手だとバドミントンとか他のスポーツを連想しやすいです。
でも風林火山の赤いユニフォームも悪くないです。
パイレーツは白が多すぎてマッサージ師にしか見えないっす。
ユニフォームは各チーム2色ようです。
野球と一緒ですね。
おそらく対戦相手との色の兼ね合いでどちらを着るか決めるんでしょう。
ただ、ぶっちゃけ打っている時はユニフォームの色はほとんど気にならないです。
試合会場について
対局はだだっ広いステージの中心に設置された卓で行われます。
カメラマンの姿なんかも一切なし。
しかも初日はちょっと照明が暗くて雀鬼のラスボス卓のような雰囲気が漂っていました。
う~ん、打ちたくない。
そりゃ緊張しますわな。
パブリックビューイング
会場の別室にはパブリックビューイングがあり試合を観戦できます。
入場料はワンドリンク付きで4000円。
これで儲けようという気はないのかもしれないけど、客入るんですかね?
ひょっとしたら現場では何か他のオプションがあるのかもしれません。
とりあえず最初の週はスポンサー関連・プロ仲間など関係者だけで埋まっていました。
中継される顔ぶれを見るとやっぱり麻雀プロが多かったです。
そういや天鳳位の独歩さんもいましたが、何かコネがあったのかマジで4000円払ったのか…。
初日は対局中も音声付きでパブリックの様子をワイプ中継。
二日目はワイプ表示が控えめになって音声も消えていました。
三日目四日目はほぼ中継なし。
麻雀観戦で歓声を上げる文化がまだないですからね。
やっぱり不評だったんでしょうか?
個人的には音無しでたまに挟むくらいがちょうどいいと思います。
出場の順番について
選手の出番は割とフリー。
一回ずつ順番のチームもあれば連投させるところもあったりとまちまちです。
当日変更もしていいみたい。
そもそも個人別打数のノルマもないですからね。
極端な話、一度も打たない選手がいてもOkになっています。
この決めは戦術の自由度という面もありそうですが、この先スケジュール調整が難しい選手の救済の意味が大きいんだと思います。
仕事の都合で毎回来れない人も絶対いるでしょ。
で、忙しい選手が来た時は連投が必然的に増えると。
あと遅刻対策もあるのかも。
【訂正】
一人40試合までという上限があるそうです。
最低ノルマは無いはず。
[ad#co-1]試合を見た感想
実況解説では○○プロじゃなくて○○選手って呼ぶんですね。
これもオリンピックを睨んでの取り組みなんでしょうか?
で、全体的に初心者にもわかりやすい解説を心がけているみたいですね。
なるべく難しい専門用語やスラングを使わないように苦心している様子が見られました。
四日目なんて解説の白鳥選手がタンヤオやイーペーコーなど役の説明まで始めちゃって。
気持ちはわかるけどこれはさすがにダルすぎ…。
野球で言えば「一塁は右です」って説明されているようなものですよね。
翻数のことは1ポイント2ポイントと言っていました。
いやいや初心者でも役や翻はわかるでしょ。
ポイントとか余計に分かりづらいわ。
記念すべきMリーグ初アガリは園田選手。
そのままトップだったのでドラフトで初っ端指名も合わせて初づくしのMデビューでした。
ソノケンの2回目はラスでしたがトップラスとラストップじゃ全然印象が違いますからね。
初めてみる人にとっては強いイメージを与えられたんじゃないでしょうか。
対局自体は淡々と進みましたが手の震える選手が結構いました。
みんな大舞台には慣れているはずですが、さすがにコレまでと違うスケール感に飲まれていたみたいです。
逆に女性や若手のほうが手付きは落ち着いて見えました。
あ、若手でも朝倉選手だけは緊張してたみたい。
いつもならまずしないハイテイ忘れや流局でリー棒をしまっちゃうミスがありましたね。
良かったプレー
印象に残っているのは
初日の石橋選手の形テン取り。
二日目の肉離れしていた村上選手がトップ(プレーじゃないけど)。
三日目の松本選手の食い替えタンヤオとラス前の差し込み。
四日目の朝倉選手のラス前の六万切りからのシャボ和了り。
そのオーラスのたろう選手のピンフ取らずの亜リャンメンリーチ一発ツモ。
四日目のラス前オーラスの二人の手筋は、100人に一人も同じ手を打たなそう。
とくに朝倉選手の手なんてノータイムで現物の一万切るでしょ。
エエもん見させてもらったという感じです。
滝沢選手の少牌
二日目に滝沢選手が少牌してアガリ放棄になってしまったんですよね。
親の配牌の第一ツモを持ってこずに切っちゃうやつ。
これは自動配牌卓あるあるで誰もが最初はやらかします。
私も何度となくやっているので気持ちはよくわかります。
普通の卓は親の配牌でちょんちょんと第一ツモも一緒に持ってきますよね。
自動配牌だと手牌13枚が上がってくるので、親なのにツモからという慣れない動作をしなくてはいけません。
つい忘れていきなり少牌を食らう羽目になります。
とくに浮き牌がハッキリしている配牌のいい時が危ないです。
Mリーグだと理牌してから第一ツモを取るように指導されているので余計に危険。
今でこそ自動配牌が主流ですが、導入されたばかり頃はこの動作に慣れなくてめちゃめちゃ不評でした。
私が行っていた雀荘ではあまりに親が少牌しまくるので、一度入れた自動配牌卓を旧型にチェンジしたくらいです。
イエローカードは出なかったが
四日間でイエローカードは一枚も出ませんでした。
微妙な強打や1枚見せ牌はあったけど警告出すほどではないという判断でしょう。
ただ(私が見て)これはどうかなというプレーが無かったわけでもありません。
■萩原選手の4ピンどうだ切り
初日に萩原選手と誰か(忘れた)が二軒リーチ。
萩原選手の待ちはドラのカン7ピン。
で、通っていない4ピンを持ってきて「どうだ!やばいか」みたいな切り方をした場面。
これ警告無かったけど一般的な雀荘ではアウトです。
単なる強打でなく手ジャミの一つと取られかねません。
ドラだから誰も出さないけどこの後引っ掛けに振ったら気分を害す人も多いです。
こういうトラブルを招きそうな切り方はどこの店でも敬遠されます。
所作を重んじるプロ団体なら指導が入るレベル。
カードが出てもおかしくはなかったと思います。
■黒沢選手のツモり間違い
四日目の対局で黒沢選手がツモ山を間違えて持ち上げていました。
手牌までは持ってきていないけど明らかにカメラにも牌が見えるくらいの触り方。
これはどうなんでしょう?
悪意がないのはわかりますが、プロの対局は開始時に1枚牌がこぼれただけで山を積み直したりします。
当たり前ですが先ツモはペナルティあり、ツモ山に触れただけでももう鳴けませんし、羅紗にわずかでも触れれば打牌したとみなされます。
その厳しさからすれば、ツモり違いで1牌がわかってしまったらイエローとは言わなくても何らかの罰符がある方が自然だと思うのですが…。
ちなみに黒沢選手のこのツモり間違いも自動配牌あるあるです。
普通の卓だと開門場所からガバっと配牌を取るので、山はLに近いコの字型に残ります。
切れ目がツモ場所と王牌なので間違えることはめったにありません。
ところが自動配牌では4人の前に山が残るように上がってきます。
17トンない中途半端な短い山が作られます。
長年麻雀を売っていると無意識に「短い山=ツモる場所」という意識が染み付いているので、つい取り場所を間違ってしまうのです。
これからもありそうなのでルールに追加したほうがいいと思いますが…。
配牌がかたよる?
自動配牌の話をもう一つ。
自動配牌だと牌がかたよる、というコメントが目立ちましたがそれはないです。
ちゃんと混ざっているので心配ありません。
落とした手牌がゾロっと配牌に流れ込むイメージがありますが、今の卓では手牌が一気に積まれる仕組みにはなっていません。
トランプを一枚ずつ配るように山と手牌が同時構築されるので、これだけでもかなり混ざる原理になっています。
むしろ赤もドラもメンツも均等に配られる方が不自然です。
どれだけシャッフルしてもムラが出るほうが自然の現象なんです。
- 自動配牌はかたよる。
- 自動卓はかたよる。
- 落とす前に洗牌しないとかたよる。
- ネット麻雀はかたよる。
- 手積みでも雨の日はかたよる。
新しい物が出ればたいてい言う人がいますがほとんど気のせいです。
たとえかたよっても狙えない以上それはそれで平等ですし。
【追記】
Mリーグで使っている自動卓はレックス系のようですが、それに撹拌機能を高める改造を施してあるそうです。
小手返しと牌の上乗せ
「ツモ牌を手牌に入れる」行為はルールで禁止されています。
なのでさすがに小手返しをする選手はいませんでしたね。
別に理牌には使っていいんですが。
高宮選手が上に乗せた牌が、落ちるように手牌右から3枚目に滑り込んだのがあったくらい。
そのまま打牌したけどペナルティにはなりませんでした。
まあ、ばんたび入れるなよってことなんでしょう。
ところであのツモを手牌に乗せるモンド式はいい加減やめたほうがいいと思います。
落ちやすく見せ牌の元になるし、ポロッとして慌てた拍子に別の手牌を倒したらイエローですよ。
差し込みっていいの?
三日目の対局で松本選手がトップ目からラス目の小林選手に振り込みました。
流局間近で自分の手はテンパイにも遠く、安全牌もあったことから差し込みは明らかです。
このプレーを見て「わざと振り込むのっていいの?」という微笑ましいコメントがありました。
麻雀でわざと振り込む行為は差し込みと言ってもちろんOK。
自分が局を有利に進めるための戦術の一つです。
ただリスクも大きいです。
親に振り込むのは無意味だし、相手の手を読み誤れば大きく点棒を減らしてしまいます。
しかも無理な牌を切るということは自分のテンパイや和了りが遠のくことにも繋がります。
たびたび使える戦術ではありませんが、それだけにここ一番で差し込める人は雀力の高さが光りますよね。
赤入りは運だけ
大きな手が連発したので「赤入りは運だけ」というコメントもよく流れました。
そうですかね?
赤があるとデカイ手が出やすいから相対的な点棒の価値が下がっているだけで、個人の実力差が出にくいことはないと思います。
むしろ赤があるぶん考えることが増えるので力量の差が出やすいのではと思いますがどうでしょう?
麻雀はその得点システム上、ドラ0だと圧倒的に不利で1~2枚だと戦いやすく3枚あるのは大チャンスです。
4~5枚になると数ほど有利にはならないんですよね。
赤があればドラ0の選手が出にくくなり均等に戦うチャンスが出てきます。
赤なし裏なしだとドラは4枚しか存在しないので、固めて持った人が王様状態になりやすいです。
少なくともドラに関しては枚数があったほうがより公平に近くなります。
腰使うな?
腰使うなというコメントも多かったのでそれについても一言。
ツモる前に一拍置くのは腰(※)ではなくて競技麻雀の基本的なルールです。
上家の打牌が済んだらポンの声がないのを確認してからツモ(またはチー)らなくてはいけません。
これはマナーじゃなくてルールです。
早すぎてポンが間に合わないようなタイミングでツモると先ヅモ扱いになり罰則もあります。
厳しいところだとツモモーションをしてから鳴くのも禁止です。
なので必然的に打牌から1~2秒待ってツモることになります。
具体的に何秒と決まっているわけではないので、人によっては待ちが長い打ち手もいます(所属団体にもよる)。
それが腰に見えちゃうんでしょう。
もちろん雀荘でこんなテンポで打ったら遅延行為として注意されます。
普通の麻雀と競技の一番違うところかもしれません。
※腰というのは上家の捨て牌に反応して止まることです。
まとめ
成績はアベマズとドリブンズが走っていますが、長丁場なのでまだまだこれからでしょう。
思ったよりもスピーディーで気軽に見れたのは良かったです。
この数日で改善している様子もありますし、これから番組としてブラッシュアップされていくのではないでしょうか。
このクラスの対局が毎日見られるなんて麻雀ファンにとっていい時代になったものです。