灘麻太郎プロは日本プロ麻雀連盟に所属するプロ雀士です。
プロ連盟の二代目会長を務め今では名誉会長の役職に就いています。
団体が設立されたときから活躍していた雀士で、麻雀プロ創世記を支えた超ベテランのプロです。
また早くから漫画原作や歌手活動などマルチな活動をしてきたプロ雀士でもあります。
そんな灘麻太郎プロについてまとめてみました。
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灘麻太郎プロフィール
灘麻太郎(なだあさたろう)
1937年3月17日生まれ
北海道の札幌市出身
趣味は卓球
日本プロ麻雀連盟 名誉会長
灘麻太郎は「なだあさたろう」と読みます。私は最初読めませんでした。
37年生まれということは79歳! 若いですね。
北海道の札幌出身です。
北海道といえば寒い冬には家にこもるので、麻雀をはじめテーブルゲームが盛んな土地です。そのため麻雀プロもたくさん輩出しています。
灘プロも麻雀が盛んなこの土地で、師匠や先生に教わること無く自分で麻雀を身につけていきました。
子どもたちが百人一首をしている横で大人たちが打っている麻雀。それを見て自力で覚えたそうです。
麻雀で身を立てることを決意して大学卒業後の7年間は各地を放浪していました。麻雀プロの世界など無いも同然の時代のことです。
この頃の灘プロの生きていた世界は、かなりダーティーなモノを想像してしまいますね。
そんな裏プロ生活に終止符を打ち一度はサラリーマンとして就職。
サラリーマン雀士として設立されたばかりの名人戦などのタイトル戦に出場。徐々に競技プロの世界に足を踏み入れていきました。
雑誌やスポーツ紙の麻雀コラムや麻雀教室などで活動の場を広げていき脱サラ。
1977年に第1期最高位の栄冠を手にします。
キャッチフレーズと雀風
キャッチフレーズは「カミソリ灘」。
鋭い仕掛けを多用する速攻派の打ち筋から名付けられました。
同じ時代の盟友である小島武夫プロとは対称的な雀風です。
二人は決して仲が悪いわけではありませんが、この打ち方の違いだけはお互い相容れなかったようです。
灘プロが小島プロへ文句を言うような場面は見たことがありませんが、小島プロが灘プロの鳴きにケチを付けているのは何度か見たことがあります。
仕掛けを多用することから現代のデジタルな打法とかぶりそうですが、考え方はバリバリの流れ派。
ちなみにロン2のデータを見ると灘プロの副露率は42.96%。
小島プロじゃありませんが、さすがに鳴きすぎだと思います。
獲得タイトル
麻雀対局に映像記録が残るようになり始めたのが、第3期の最強戦あたりからでしょうか。
ところがこのあたりの時代から灘プロはタイトルから遠ざかっています。
なので、私がプロの麻雀に興味を持ち始めてから見ることが出来た時代の映像では、灘プロの活躍したところがほとんど無いんですね。
もちろん有名なプロなので名前は知っていましたが、正直なところ強さを感じるような場面はありませんでした。
ただ、映像が残っていない時代の戦績は凄まじいものがあります。
年代別に並べてみます。
1977年 第1期最高位
1977年 第2期王座
1978年 第2期雀聖位
1979年 第1期名人位
1979年 第3期雀魔王
1982年 王位
1983年 王位
1984年 王位
1985年 王位
1986年 オールスターカップ優勝
1988年 雀魔王
1989年 雀魔王
1992年 十段位
2000年 十段位
70年第80年代のタイトルを獲りまくっています。
映像記録が残っている90年代以降はさすがにペースダウンしていますが……。
2016年には第6期麻雀グランプリMAXで優勝しています。
79歳でのタイトル奪取でまだまだ現役感をアピールしました。
タイトルの獲得数だとプロの中でも1位じゃないでしょうか。
[ad#co-1]最高位戦八百長疑惑事件
灘プロは1981年に小島武夫プロらと共に日本プロ麻雀連盟を創設します。
そのきっかけとなったのが最高位戦八百長疑惑事件。これが麻雀プロ団体分裂の始まりと言われています。
分裂の是非はともかくとして、八百長そのものには私は懐疑的です。
この考えは荒正義プロの紹介記事に詳しく載せました。
漫画原作や小説の執筆も
灘プロは早くから漫画原作に着手した麻雀プロでもあります。
昭和の劇画チックな時代の作品が多いですね。
2013年には「小説 昭和マージャン伝 闘牌の絆」という小説も書き下ろしています。
歌手としてCDも発売
さらにレコードやCDなども発売しています。
中にはNHKドラマの劇場版主題歌で阿久悠作詞の歌も含まれています。
こうなると完全な歌手活動ですね。
2015年にも「加賀の宿」という新曲を発表。
2016年のグランプリMAX獲得といいメチャメチャ充実していますね。
余談ですが、小島武夫プロも大昔にレコードを出したことがあります。ご存知でしたか?
以前、中古レコード店で偶然見つけた時には驚きました。
まとめ
灘麻太郎プロについてまとめてみました。
プロ創成期にはタイトルをかき集めていた強豪プロ。
失礼ながら過去の人かなという印象がありましたが、未だにタイトルを手にして小説を執筆してCDまで出してしまうパワフルさを目の当たりにすると考えを改めざるを得ません。
今後もますます活躍してタイトル年表に新たな歴史を刻んでいって欲しいですね。